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真実を語らず、 過去を記憶しない歴史は繰り返される。

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久しぶりの投稿です。真面目な投稿をします。

9月16日から弁護士会執行部のメンバーとして,
韓国で仁川地方弁護士会と交流してきました。

韓国の光州市にて,日本では「光州事件」として知られ,現在は「光州民主化運動(闘争)」とよばれる事件を勉強してきました。
この民主化運動が起きたのは1980年5月のことで,そんなに古い話ではありません。
当時韓国では軍事クーデターを契機に民主化運動の気運が高まり,
学生と労働者が中心となって起きた民主化を求める運動でした。
その後,軍事政権が光州を封鎖し,
言論統制をしてマスコミを掌握し嘘の情報(光州が市民の暴動で治安が悪化しているなど)を流して,
抵抗する市民を虐殺する(しかも,その市民の中には民主化運動に無関係の市民にも棒で殴打するなどして撲殺する)
という悲劇です。

今回は光州民主化運動で犠牲になった市民が眠る国立墓地(国立5.18民主墓地)や5・18民主化運動記録館を訪問し,
貴重な映像を見せて貰い,
現地のガイドさん(このかたも民主化運動のメンバーでした。)からも多くのことを勉強させて貰いました。
ガイドさんも何度も繰り返されていましたが,
その当時の光州は,軍隊(特殊部隊が大量に投入されていました。)に封鎖され物資も限られていたにもかかわらず,
また警察の治安機能も働いていなかったにもかかわらず,
銀行への襲撃等略奪行為が一切ない平和な状態であったそうです。
しかし,軍事政権は,民主化運動を許さずに特殊部隊を大量に動員して
150人以上の市民(行方不明者も多数いることからまだ数が増えると言われています。)を虐殺しました・・・
亡くなった方の中には
帰らない夫を迎えに外に出たために犠牲になった
お腹に8か月の赤ちゃんを宿した女性もいたそうです・・・

確かに今の日本では考えられないことですが,光州民主化運動に学ぶことは多いと思いました。
真の民主主義のために戦う重要性や,
軍や政府の暴走をどのように制御・統制するかという視点は
現在の日本にも多くの問題意識を投げかけると思います。

光州民主化運動を扱った書物や映画も多く,
今年「タクシー運転手」という映画が韓国で上映されました。
日本ではまだ未公開ですが,ぜひ早く公開して欲しいです。
皆さんも見に行かれると良いと思います。

この投稿のタイトルは,ガイドさんが何度も何度も我々に話した言葉です。
(この言葉は5・18民主化運動記録館のHP(←クリック)にもあります。)
『真実を語らず、過去を記憶しない歴史は繰り返される。』

とても大切で,とても重く,とても深い言葉だと思います。

写真は国立墓地と記念館内で撮影した当時の写真です。
それでは,また。IMG_5409

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2017年9月19日

笠原徳之